低HDL-コレステロール
HDL-コレステロールの正常値は、40mg/dL~90mg/dL といわれています。
HDL-コレステロールが低い?
HDL-コレステロールが40mg/dL未満は、「低HDL-コレステロール血症」と診断されます。
HDL-コレステロールが20mg/dL未満(※1)は、「レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)欠損症」や「タンジール病」が疑われます。
HDL-コレステロールの役割と低くなる原因や治療について
コレステロールは、体や細胞のはたらきを維持するために不可欠な成分ですが、細胞にたまった過剰なコレステロールはHDL-コレステロールという形で細胞から引き抜かれて、肝臓で排泄されます。そのためHDL-コレステロールは「善玉コレステロール」とも呼ばれています。
HDL-コレステロールが低い状態(40mg/dL未満)を、低HDL-コレステロール血症として診断され、一般には動脈硬化の進行をおさえる点から治療の必要性が唱えられています。
またHDL-コレステロールが極度に低くなる原因としては、肝臓や腎臓疾患などの原因も考えられますが、生まれながらにHDL-コレステロールが、20mg/dL未満(※1)とさらに低い病気としてはレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)欠損症やタンジール病が知られています。これら2つの病気について、厚生労働省が難病に指定しています。この内LCAT欠損症については、千葉大学が研究している治療法が紹介されています。
HDL-コレステロールが20mg/dL未満(※1)の方へ
- ・尿に蛋白が出ている
- ・黒目が白くにごり、特に周りが強く濁っている
- ・貧血症状がある
どれかひとつでも当てはまれば、家族性LCAT欠損症の可能性があります。
診察や治療について、千葉大学はじめ専門の先生にご相談下さい。
「LCAT欠損症」の治療法 医療関係の方
「LCAT欠損症」の治療法 一般の方
HDL-コレステロールが低いことに関する診断や治療について、千葉大学はじめ専門の先生に相談してください。
(※1) 厚生労働省から2015年7月1日難病指定された時点では、LCAT欠損症の診断基準は、HDLコレステロールが10mg/dL未満となっていますが、以降HDLコレステロールが10mg/dL~20mg/dLである患者さんでも、LCAT欠損症と診断された方々がいらっしゃいます。
HDL-コレステロールの意義
HDLは、表面をタンパク質、中心は脂肪で作られている球のような形です。細胞で余ったコレステロールは、HDLが引き抜き、LCATのはたらきで、コレステロールは球の中心へ移動します。コレステロールを球の中心にたくさん蓄えたHDLは、肝臓で分解されコレステロールは、胆汁として体外へ排泄されます。
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専門の診療のご案内
千葉大学医学部附属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 横手 幸太郎 先生/石川 耕 先生
<連絡先>
千葉大学医学部附属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 石川 耕 先生
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千葉大学医学部附属病院 未来開拓センター 黒田 正幸 先生
〒260-0856 千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-1
Tel043-222-7171(代表)
e-mailkurodam@faculty.chiba-u.jp
関連サイト
<厚生労働省>
厚生労働省ホームページ
<難病情報センター>
LCAT欠損症(指定難病259)
タンジール病(指定難病261)